伝統芸能

2012年2月24日 (金)

中村雀右衛門丈

Jacky

昨日、人間国宝 中村雀右衛門丈が、お亡くなりになられました。
歌舞伎役者では、わたしが唯一、大首絵を描かせていただいた方でした。

あまり実在の人物を描く事の無い私が、この絵を描かせていただいたのは、かれこれ4〜5年前になると思います。初めての女形、女性ではないが、もっとも女性らしい、しかし、女性を描くのではない。そんな難題に挑戦し、思い悩み、最初にお話をいただいてから、絵が描き上がるまで3年近い時間がかかりました。
おそらく、これ以上の雀右衛門丈は描けないと思っています。
米寿のおり、直接、お渡しする機会に恵まれ、一緒に記念撮影まで撮っていただきました。その後も、後援会様からのご依頼で、この絵を扇子に仕立てたり、絵はがきにさせていいただいたりしました。私にとって思い出深い絵です。

華やかな名女形に、黒ふちは似合わない。そう思い、上の絵は、あえて真っ赤なふちを付けさせていただきました。後年は、足が弱られて、なかなか舞台にもお立ちになれなかったと聞いております。今は、そんな肉体の呪縛から逃れ、空を舞う天女の様に、思う存分舞われているのではないかと思います。

ご冥福をお祈りいたします。

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2010年10月20日 (水)

神楽坂テーマパーク第一夜

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半年に渡ってああでもないこうでもないとミーティングを重ね、30年ぶりのギターを買い、人生初のスタジオ入りを経験し、渋谷のベルボトム専門店で、この先履く機会があるかどうかもわからない縦ストライプでぱっつんぱっつんのベルボトムを買い、大勢の人々のやさしいご協力のおかげで、「神楽坂テーマパーク2010」(年号付けたら来年もやるのか?)も大盛況のうちに無事終了しました。
会場に駆けつけてくださった皆様、暖かい拍手をどうもありがとうございました。大々的に(というか全然)告知をしていた訳でもないのに、神楽坂のギャラリーフラスコは連夜、人が道に溢れるくらいの大入りで、最後まで席を立つお客様も無く、主催者かづさんの人柄の良さなのか、神楽坂の人々のあったかさに感謝感謝の2夜でした。
この企画、会場にいたスタッフもお越しいただいたお客様もその趣旨がわからない、でも、なんだかとっても楽しいという、へんてこなイベントでした。そもそも、神楽坂にサラスというお店をオープンして10年ほどになる(この「ほど」がまた中途半端できっかり10周年記念とかっていうわけじゃありません。)「髪結いのかづさん」が、年男である今年、突然思い立ったかのように「自分祭りをやりたい!」と言い出したのが発端。周りのみんながその人の良さにどんどん巻き込まれ、あれよあれよという間に実現してしまった。という巻き込まれた人々もその先に何があるのかわからず、いっしょにつっ走ってしまった本気の大人遊びでした。
決まっていたテーマはただひとつ「昭和」。昭和と言っても、我々が子供だった時代の昭和というピンポイントな時代。その中心には、やはり、大阪万博は外せない。ってなわけで、上のシンボルは、(神楽坂のシンボル)毘沙門さんと太陽の塔をくっつけてイメージしたもので、タイトルも当初、どんなものになるか、まったくわからなかったので、何をやっても良いように「神楽坂テーマパーク」としました。

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昼間の会場は、ギャラリー(というか休憩所?)。飾られている写真は、主催者かづさんの写真。住まいもある神楽坂を拠点に、趣味人かづさんが遊びまくった数々の写真。壁の下、腰板のように巻かれているのは、60年代、70年代の懐かしい雑誌広告。これをひとつひとつ見ていくだけでも当時の事が懐かしく思い出され話に花が咲きます。奥の舞台は昼間、お茶の間になっており、ちゃぶ台の上には懐かしい昭和のおもちゃや水飲み鳥が首を振り、ブラウン管テレビでは、当時の懐かしいCMが流れています。
駄菓子は食べ放題、飲み物は、アルコールはオールドの水割り、それから、同年代ならわかってもらえるはずのウイスキー(オールド)のオロナミンC割りとオロナミンセーキにオロナミンミルク。それから「ひやしあめ」これがなかなかの誤算、私やかづさんには「ひやしあめ」は懐かしい飲み物の代表みたいなものでしたが、色々聞いてみると、どうやら関西ローカルな飲み物だったらしく、東の皆さんには全く馴染みのないもののようでした。それでも、面白がってた飲んだ方々には、美味しく召し上がっていただけたようですし、中には、オールドのひやしあめ割りを気に入り、何度もおかわりしてくださる奇特な方もいらっしゃいました。

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おすすめの逸品がこれ「チビ太のおでん」△○□を串にさした懐かしいさ満点、味も三ツ星なおでんでした。本物は、こんにゃく、がんも、鳴戸巻きですが、今回は、こんにゃく、エビ天(ボール)、ちくわにしました。1串200円なり。一晩50本、2日で100本は見事完売。我々スタッフもほとんど口にできないほどの大人気でした。

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かっぽう着を着たおかみさんと女中頭がチビ太のおでんを仕込み中。その様子をうかがうピッピー姿の放蕩娘の図。

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最初の演目は、鼓動隊の大鼓と能管のセッション。オープニングにふさわしく大鼓の張りつめた音と能管の空気を切るような調べが、始まりを伝えます。この日の演目はすべて、日本の伝統芸能。笛、三味線から阿波踊りまでこなす多芸なかづさんの自分祭りの幕が開きました。

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演目と演目の間は、飲み物とチビ太のおでんを片手に談笑。

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二つ目の演目は、仕舞「老松」習いたてのお能の仕舞を披露です。地謡は紙問屋の宇野さん、緊張がこちらまで伝わってくるようです。ちなみに後ろの竹に付けてある能面は、上の童子が澤田さん(女中頭?)作、下の小面は私作です。

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三つ目は、長唄で「老松」かづさんが笛を吹きます。

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トリは、「老松」にインスパイアされて、かづさんが作曲したオリジナルをギターで弾き、それに合わせて日本舞踊のお師匠さんが舞われます。かづさんが全身全霊を注ぎ込み、もっとも緊張した演目だったそうです。

ということで、第一夜は無事終了。この後、阿波踊りの飛び入りがあったりで、宴は夜遅くまで続きました。二夜目は徹底的に昭和。いよいよ恥ずかしながら私の登場です。乞うご期待。

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2010年5月25日 (火)

雀右衛門丈扇子。

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私が描かせていただいた中村雀右衛門丈の大首絵が扇子になりました。写真は試作品です。近々(おそらく一月後くらいには)DENDEN SHOPで通販開始です。これとは別の全部が入った縦位置のものもご用意しております。正式に販売が開始されましたらまたご紹介させていただきたいと思っております。ちなみにこれらは、中村雀右衛門丈のお墨付きであります。

ちなみにこちらでは、マヤゴノミ関連も発売中ですのでそちらも合わせでどうぞよろしく!

Maiagonomi_015

AWASE(赤白)
AWASE(ブルー)
AWASE(紫)

IRO-AWASE
TEFUTEFU

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2009年10月28日 (水)

景清

Kagekiyo

私の能面の師であり、日本で唯一、シテ方能楽師でありながら、能面師でもある宇高通成先生の、舞台が11月3日、国立能楽堂で行われます。ご興味のある方は、私にご一報ください。

第七回三輪清浄宇高通成研能会
平成21年度文化庁芸術祭参加公演
東京・国立能楽堂
平成21年11月3日(火・祝)午後1時始
狂言 「水汲」
能楽 「景清」 宇高通成

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2009年8月31日 (月)

いよいよ彩色です。

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小面、表面です。
6月17日7月19日、ときて、今日でいよいよ彫りは終わりです。気になるところはいくつかあるのですが、まずは下地の盛り上げ胡粉をほどこしてから形の最終調整をします。次回、お見せできるのは真っ白になって、より、形が明確に見える状態になります。ちなみにここまでは、基本的に紙やすりなどは使用しません。彫刻刀だけでやすりをかけたようにつるつるに仕上げなくてはなりません。

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2009年8月30日 (日)

目指せ職人技!

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小面の裏面、化粧彫です。裏はこれに漆を塗って完成に持っていきたいと思っています。さあ、いよいよ彩色です。

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2009年7月29日 (水)

【ワークショップ】宇高通成が誘う幽玄と叡智そして健康

Nohmai

能舞メディテーション一日セミナー
〜宇高通成が誘う幽玄と叡智そして健康〜

私の面打ちの師である宇高通成先生主催の一日セミナー「能舞メディテーション」が、来る8月22日(土)に東京は千代田区麹町で開催されます。謡いから舞い、発声法、瞑想を通して心身の内面を磨く事が出来るワークショップです。金剛流宗家直流職分であり、重要無形文化財総合指定保持者である能楽師宇高通成先生の指導により本物の幽玄の世界に触れられるまたとない機会です。初めての方でも楽しめる画期的な催しです。詳しくはこちら

能舞メディテーション一日セミナー
〜宇高通成が誘う幽玄と叡智そして健康〜

日時:2009年8月22日(土)
   10:00〜17:00
場所:千代田区麹町区民館
   半蔵門駅(東京メトロ半蔵門線)徒歩2分
   麹町駅(東京メトロ有楽町線)徒歩5分
参加費:1万円
ご用意いただくもの:白足袋又はタビックス、動きやすい服装。

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2009年7月 6日 (月)

右と左は別の人。

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昨日のエントリーで触れた能面の意図的な左右非対称の話をわかりやすく実験してみました。元写真は、昨日のエントリーです。写真左は右側を写真右は左側を複製し、反転してくっつけています。そもそも人間の顔も左右非対称なので同じような実験をすると別人が2人出来上がります。人間の場合は自然にそうなっているのですが(一説には生活習慣も影響するらしいです。)、能面の場合は、その演出から意図的に違う表情を持たせています。右側(写真左)は怪しく憂いを持たせ、左側(写真右)は穏やかな表情に。それにはその舞台設備と能そのもの表現する思想が深く関わっているのですが、それはまたいつか詳しく書きたいと思います。

写真は、まだまだ半人前以下の私の作品なので、狙い通り表現できているかどうかは怪しいですが、それでもまったく違う表情になっています。ちなみに髪の分け目がズレているため左の写真には分け目が無く、右の写真には分け目が重なっていますが、これは私が下手なのではなく、ちゃんと意図的にズラしてあるのです。相対する二つの表情が混在しているからこそ能面は神秘的なのです。

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2009年6月17日 (水)

かれこれ1年半。

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現在、同時進行中の小面(雪)。
かれこれ1年半ほどかかってまだ目も開いていません。今週末くらいにはいよいよ目を開けようと目論んでいます。能面は目を開けた時から魂が入ると言われます。それまでは木として扱っていますが、目を開けた時から能面として丁寧に扱わなければなりません。緊張の一瞬です。その後は、細かな調整をしつつ彩色に入っていきます。彩色は、胡粉と膠で下地を作り、顔料と墨でおこないます。そうです、能面は木彫と日本画両方の技法を駆使して作り上げられていきます。表面保護の加工などはしませんので、舞台で使われる際も細心の注意を払われなければなりません。水がかかれば彩色が剥げたり、シミになったりしてしまいます。そんな繊細な面を、しかも室町時代から伝えられる本面と呼ばれる重要文化財のオリジナルでも舞台で使われます。もちろん本面を使える能楽師は限られますが、どんなに古かろうが、どんなに貴重であろうが、5〜600年経った今でも現役です。これはすごいことだと思います。

私が打っている小面は、金剛流所有「雪」の写しです。名人石川龍右衛門重政が秀吉に献上した三面、それぞれ「雪」「月」「花」と秀吉が名付け愛でたと伝えられるものです。後に「雪」は今春岌蓮(こんぱるきゅうれん)に、「月」は徳川家康に「花」は、金剛座の太夫に賜られたと伝えられています。現在、「雪」は金剛家が所有しています。「花」は、三井家に所蔵されています。「月」は、江戸城落城の時に消失したともいわれ行方しれずです。「雪」は凛とした美しさがあり、「花」は見るからに可愛い面です。ミロのヴィーナスの失われた腕のごとく、「月」がどういう面であったのか興味はつきません。

「雪」は、来月、7月25日・26日に京都金剛能楽堂の虫干しで展示されます。1年でこの2日間だけ実物を目にすることができる貴重な機会です。

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2009年6月12日 (金)

ん〜〜〜んっ!

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小べしみは順調に進んでいます。かなり表情が出てきました。こうしてみると前回のエントリーは、まだまだ表情がぬるいというかまったく形になってなく、お見せするのが恥ずかしい状態だったのがよくわかります。これでもまだまだ半ばにもいたっていない状態です。今週末は東京面乃会(私が面打ちを習っているところ)のお稽古日なので、さらに進むと思われます。やっぱり、男面は表情がはっきりしていて掴みやすい!

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