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2010年10月 4日 (月)

ヤスリがけと下地塗り2回目。

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上の写真は、第一段階のヤスリがけが終わったところ。一回目は、木の表面の凹凸を無くす工程です。したがって、写真の様に塗った胡粉をほとんど落としてしまいます。彫りの段階ではつるつる平坦できれいに見える表面も、こうして見ると小さな凹凸ででこぼこです。低い部分の胡粉を残し、高い部分とのバランスを取って、より平滑な表面を目指します。ある意味、一回目は、砥の粉を塗っていくような作業です。ここでしっかりヤスリがけをしておかなければ、この後、何回塗り重ねても堂々巡りの繰り返しになります。

能面の下地塗りが盛り上げ胡粉と言われるのは、単にきれいに仕上げるためではなく、この段階で最終的な形を整えるためです。彫りではできなかった部分、あるいは、下地塗りをして白くなったために見えてきた形の調整を行ないます。このさじ加減で、表情はコロコロ変わってしまいます。
彫りでは、納得できる形が彫り上がった時点で、そこに胡粉の層が重なる事を見越して、その分だけ削り取る作業をしています。これがなかなか難しい。凸面凹面によって、胡粉の厚みは変わってきます。凸面は薄く、凹面は、どうしても胡粉がたまって厚くなるので、より深く彫っておきます。従って、木と胡粉の層の兼ね合いを見ながら最終的な形を整えていきます。塗りながら彫っていっているような工程です。

写真の歯とくわえた玉が煤けて汚れているのは、最終的な仕上げのための準備です。この面(おもて)は、歯が金色になります。くわえた玉は、太陽と月を表しているので、金銀のまだらに塗る予定です。その際、古びた感じを出すために(よごし作業)色を薄く剥がしていって、ところどころ下地が見えるような風合いにしようと考えています。剥がしたところから白木が見えては台無しです。そのため、ここでも過マンガン酸カリウムの出番。木の部分を焼いておきます。これで準備完了。二度目の下地塗りにかかります。

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二度目の下地塗りが完了したところ、一回目とは違い、シャープさが増し、ずいぶん趣が変わってきています。写真は、まだ、筆で塗っただけの状態です。ヤスリはまだかけていませんが、ずいぶん表面がきれいになってきています。これにヤスリをかけるとさらにつるつるな感じになり、より精悍な感じになる(予定です)。この段階からは、斜めに持って光を当ててみたり、神経を研ぎすませ、指で触って凹凸を感じながら、細かな凹凸を徹底的に無くしていきます。まさに職人技の域です。

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