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2009年11月13日 (金)

反対の反対は賛成?

相手を説得させる材料として様々な資料に基づいて説明がなされる。政治の場でも、個人の場でもそれに変わりはない。そこで問題なるのは、データの取り方、基準となる年度などではないだろうか?今の世の中、実に様々なデータが氾濫している。そのどれに着目するかで導き出される回答は変わってきてしまう。多少のブレなら許容範囲かもしれないが、取り方によっては、まったく正反対の答えが導き出される事もある。
例えば、ある事柄に対するアンケートで、

○賛成
○反対
○どちらでもない

じつによくある三択だ。
アンケートの結果が、賛成:10人、反対10人、どちらでもない:80人だったとしよう。この場合、単純に「賛成の人は10%」「反対の人は10%」といえば、問題は無い。しかし、「賛成じゃない人が90%」となれば、話はまったく変わってきてしまう。ここまでくれば詐欺同然だ。
これは極端な例だが、年度別のデータで、たまたまその年が例外的な数値で、その年を基準に考えてしまったり、減少傾向だった年のデータを元に試算していたものが、実は、近年、増加傾向にある場合などでも、結論が大きくズレてしまう。
実は、先日、あるテレビの年金問題に対する議論で、前政府のだした試算をめぐる話題になった。年々少子化傾向にある現在では、2005年の試算は役に立たない。このままで行くと破綻は避けられない。と、今すぐにでも破綻しかねないと豪語する側に対して、試算に関わった当事者が、2005年の試算は、出生率1.26を元に算出した結果で、多少、下降したとしても急激に悪化することは考えにくい。と答えた。それでも、じゃあ、もっと急激に下がったらどうなんだと詰め寄る相手に、実際、2006年は1.32、2008年は1.37と若干ではあるが増加している。急激に下がる事は考えにくい。と答えた。そう、けんかを売った側は、世間で騒がれている「少子化」報道に乗せられ、実際のデータを見ずに年々劇的に悪化していると思い込んでいたのである。
ここで負けてはなるまいぞ、と、今度は未納者の話に振った。年金を払わない人が年々増えている。少子化には歯止めがかかったとしても、こっちはどうなんだ!「ほら、やっぱり破綻するだろう!」と、息巻く!回答者は冷静に、そもそも、それが間違いで、今の制度では払わない人はもらえないんです。だから、関係ありません。「しかし、4割の人が年金を払ってないんだぞ!」と、さらに声を荒げる。間違わないでください、その4割の未納者は、国民年金の話で年金全体じゃない。厚生年金は会社によって支払われている。そもそも国民年金は厚生年金と比べて割合が少ないので、少ない割合の4割は、全体としてそれほど多いものではない.........。

実はこれ、民主党の掲げる年金一元化に対する議論の中で出てきたものだ。鼻息荒く「破綻するぞ!」と息巻いたのは、民主党議員。そりゃそうだ、彼らとしては、「破綻する」という恐怖心をあおり、年金一元化という結論に持っていかなければならない思想があるからだ。

先ほどの冷静なコメンテータは、この年金一元化に警鐘を鳴らす。そもそも支払っている金額も、立場も違う人々を同じ箱に入れて、支払ってない人も含めて一律、7万円の最低年金がもらえるようにする。何も考えずに聞けば、とても素晴らしい。実に理想的で夢のような話だ。しかし、それによって足りなくなる財源は、今の年金制度の比じゃない。結果、今まで高い年金を支払ってきた人が馬鹿を見るようなことにならないだろうか?どんなにやりくりしたところで、足りなくなった財源は税金で賄うしかないからだ。
もうひとつ、厚生年金はサラリーマン、国民年金は自営業者。たしかに国民年金の支給額は、厚生年金に比べて少ない。しかし、ここでも大事な事が忘れられている。サラリーマンには定年があるのだ。定年後は、まったく収入がなくなる。生活のために年金が必要になる。対して、自営業者には定年はない。たとえ少ない年金でもしばらくは、お小遣い的なものではないだろうか?もちろん、世の中には、その年金で大変な思いをしている方も大勢いるだろうし、爪に火を灯すような生活を強いられている方々も多いだろうから、一概には言えないが、理論的には大きく間違っていないように思える。

私は、正確なデータを持ち合わせていないので、どちらの理論が正しいのかはわからない。でも、少なくとも民主党の意見より、このコメンテータの意見の方がまっとうに聞こえた。要は、「結論ありき」が問題なのだ。政治家も最近のジャーナリスト気取りのマスコミにも多いが、この「結論ありき」が目を曇らせる。曇った目で見れば、不利なデータは見えなくなり、正当化できるデータのみが輝いて見える。そんなデータで裏付けされた結論は信じられる訳が無い。

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