« iPhoneで撮影。 | トップページ | 見てるぞぉ〜! »

2009年10月29日 (木)

安い事は良い事ではない?

折しも今日、29日、最後のすかいらーく「すかいらーく川口新郷店」が、閉店する。1970年に1号店を出し93年には全国720店舗を誇った同社も、低価格指向の強まりを踏まえ、ガストやジョナサンに業態を転換してきた。そして、ついに最後のすかいらーくが閉店した。思えば、すかいらーくは、家族で行ける安いレストランの象徴ではなかったか?

私は経済学者でも無いし、国際的な事情通でも無いので、実態はわからないし、ましてや数字は見当もつかない。でも、昨今のニュースを見ていて、どうにも奇妙な状況を感じてしょうが無い。
今年も、去年のように、あるいは、去年の様にはならない様にと派遣村の話や、増え続ける失業者、年収200万円以下の低所得者をどう救済するかというニュースが多く聞かれる。
もうひとつは、物が売れない。売れないから値引き競争をする。より、低価格な商品を提供できる企業は業績をあげている。低価格戦争に乗れない企業や百貨店は経営難に陥る。さらには、低価格路線の行き着く所が見えなくなるという話も聞かれる。低価格で商品を生産している勝ち組企業の生産拠点は、今まで中国が主だったが、賃金が上がり、より、低価格の生産力を求めてバングラデェシュなどに移行しつつある。
また、農業や漁業は、採算の取れない状態に晒されている。もちろん、ほとんどが個人、あるいは家族経営で効率の悪さは否めないかもしれないが、それだけじゃない。より安い価格、いや、国内生産より破格に安い輸入品に人々が手ののばすからに他ならない。

例えば、そういう国々で日本企業が雇用している労働者の人数はいったい何万人くらいにのぼるのだろうか?
その数は、日本の失業者と比べて、どの位の差があるのだろう?
その低賃金労働者の年収は、日本の年収200万円以下の低所得者と比べて、どうなんだろう?

そう、バブルがはじけて、より安いものを求めたのは誰だったのか?安さこそ善だと叫んだのは、我々ではなかったか?企業はそれに応えるため、低賃金の労働力を海外に求めた。我々が賃金以上の貨幣価値を求めるならば、より低賃金の労働者に生産してもらうのが早道だ。商品をより安くするためには仕入れ値を下げるしかないのだから。
そうやって出来た安い商品を買ってお得感を感じているうちに、自分達の労働者としての価値が損なわれてしまったのではないんだろうか?誰も、自分の生産価値以上のものは手に入れられないはずだ。10万円で15万円のものを手に入れられる状況には必ず矛盾がある。うまい話には裏があるのだ。
今の世の中、全てが生産者ではない。流通や企画、発明、などなど、様々なテクニックが必要だ。ただしこれらは、ある特定のの知識や能力が必要になる。必ずしも努力すれば誰でも手に入れられるものでも無い。才能を持ち、努力した者だけがその恩恵を受けられる。しかし、これらはどうしても一部になってしまう。それが現実だ。だからこそ人は努力し、人とは違う自らの可能性を見出してきたのではないか?よく、ゆとり教育が間違いだったと言われるが、本来、ゆとり教育とは、詰め込み教育の弊害を正し、個性を尊重するため、生活時間に余裕を持たせ、その時間を各々の個性をのばす時間に当てるというものだったはずだ。それを、「ゆとり」という言葉がいけなかったのか、学ぶ事全てを少なくし、人と競争する事を悪とする様な、間違った解釈が横行してしまった。この「ゆとり」で出来た貴重な時間は、自己学習という考え方によっては、とても険しい、ものになるべきだった。なぜなら、人に教わるだけの方が何倍も楽だからだ。もちろん、自己学習も、本来は楽しいものだ。自分が興味を持ち、おそらくその才能も持ち合わせている事を見つけられれば、たとえその道のりは険しくとも、苦にはならない。それを目先の「楽」に実をまかせゆるくなってしまった人間に今さら現実を見ろというのが酷なのかもしれない。もちろん、子供達が悪い訳ではない。大人たちが怠ったのだ。大人だって、会社の中で、社会の中で甘やかされて現実の行く末を見誤った人々が沢山いるはずだ。

こうして、なんとなく関わりがわかりにくい事も、改めて考え合わせてみると、関係が見えてくる。ような気がする。

「それでもまだ、安い物がいいですか?」

飢餓に襲われた蛸ののように自身の足を食べ目減りしていきますか?いやいや、今の状況は、自分の足どころか、無い物を食べてお腹を満たしている気がしているだけに思えるのは私だけだろうか?
今はまだ、より安い労働力を求める事が出来る。世界中にそういう国は、まだまだ沢山ある。でも、そうやって渡りを繰り返しているうちに、回り回って、日本がもっとも安い賃金になっていたりしないだろうか?その時、10万円のものを買うために、15万円、20万円分、いやもっともっと働かないといけない状況になってしまっていたりしないのだろうか?

|

« iPhoneで撮影。 | トップページ | 見てるぞぉ〜! »

コラム・独り言」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1216618/31958253

この記事へのトラックバック一覧です: 安い事は良い事ではない?:

« iPhoneで撮影。 | トップページ | 見てるぞぉ〜! »