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2009年9月24日 (木)

裁判員と名俳優

裁判員制度が始まって4ヶ月、そろそろマスコミも静かになってきた。まだまだ例は少ないが、いろんな意味で制限しながら粛々と進んでいるのだろう。残念ながら私宛には、まだ通知が来ない。

さて、この裁判員制度、裁判官はその経験と訓練から人の内面を推し量る能力を有していると思うが、一般から選ばれた裁判員は、そうはいかない。(と、思う。)もしも犯人が名俳優だったらどうなるだろう?名俳優が、それこそ名演技を披露したら、いつもはスクリーンのこちら側で涙を流し、拳を握りしめ一喜一憂している視聴者が、はたして事の本質を見抜く事ができるだろうか?
いつも善良で誠実な役柄を演じている役者なら、「この人に限ってこんな悪い事をするはずが無い!」と、頭の隅で勘違いしてしまわないだろうか?法定では、緊張感も手伝って、さすがに表には出さないだろうが、別室での評議の席ではどうだろう?いつも幸薄い女性を演じている女優なら、「この人は今までに何度も男に捨てられ、この間テレビで観た時は、今の旦那さんに暴力も振るわれてるのよ。まだ、小さな子供もいるのに.....。」と泣き崩れるおばさんを、「いや、それはドラマの話ですから...。」となだめる裁判官とかっていうシチュエーションは起こらないんだろうか?「この人、この間まで悪徳弁護士だったから、きっと言ってる事にも嘘があるわよ。」「この人は、もう、何十年も刑事をやっているんだから罪を重さは充分わかっているはずだよ。」「この人、この間、人を刺したナイフをペロペロと舐めてたわよ、あぁ、気持ち悪い。」「こんなのんびりして間抜けな人が、計画的犯罪なんてできるわけないよ。」「きっと黒幕がいるわ、だってこの人が親分になれるわ無いもの。いつも歌舞伎町あたりでぷらぷらしているチンピラよ!」「この証人、いつもは家政婦で、扉のすき間からのぞいてるから、きっと本当の事、言ってるわ.........。」

そういうのをすべてひっくるめて、正しい判決に導いていかなければいけない裁判官の仕事って大変なんだろうなと思う。もしかして、裁判員制度が始まっちゃって一番大変な思いをしているのは裁判官さんなのかもしれない。

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