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2009年6月17日 (水)

かれこれ1年半。

R0018929

現在、同時進行中の小面(雪)。
かれこれ1年半ほどかかってまだ目も開いていません。今週末くらいにはいよいよ目を開けようと目論んでいます。能面は目を開けた時から魂が入ると言われます。それまでは木として扱っていますが、目を開けた時から能面として丁寧に扱わなければなりません。緊張の一瞬です。その後は、細かな調整をしつつ彩色に入っていきます。彩色は、胡粉と膠で下地を作り、顔料と墨でおこないます。そうです、能面は木彫と日本画両方の技法を駆使して作り上げられていきます。表面保護の加工などはしませんので、舞台で使われる際も細心の注意を払われなければなりません。水がかかれば彩色が剥げたり、シミになったりしてしまいます。そんな繊細な面を、しかも室町時代から伝えられる本面と呼ばれる重要文化財のオリジナルでも舞台で使われます。もちろん本面を使える能楽師は限られますが、どんなに古かろうが、どんなに貴重であろうが、5〜600年経った今でも現役です。これはすごいことだと思います。

私が打っている小面は、金剛流所有「雪」の写しです。名人石川龍右衛門重政が秀吉に献上した三面、それぞれ「雪」「月」「花」と秀吉が名付け愛でたと伝えられるものです。後に「雪」は今春岌蓮(こんぱるきゅうれん)に、「月」は徳川家康に「花」は、金剛座の太夫に賜られたと伝えられています。現在、「雪」は金剛家が所有しています。「花」は、三井家に所蔵されています。「月」は、江戸城落城の時に消失したともいわれ行方しれずです。「雪」は凛とした美しさがあり、「花」は見るからに可愛い面です。ミロのヴィーナスの失われた腕のごとく、「月」がどういう面であったのか興味はつきません。

「雪」は、来月、7月25日・26日に京都金剛能楽堂の虫干しで展示されます。1年でこの2日間だけ実物を目にすることができる貴重な機会です。

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コメント

いろいろな立体も制作されるのですね。

投稿: nakano | 2009年6月18日 (木) 11時46分

アナログでものを作るのは、モノづくりを再認識させてくれて新鮮ですよ!不便なこともいっぱいあるけど楽しみもあります。取り消しコマンドが使えたらどんなにいいか実感できます(笑)

投稿: oka | 2009年6月18日 (木) 12時46分

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